(65)田島村(2009.2.28)


 
3月1日まで、曽我梅林で「小田原梅まつり」が開催中である。もう既に見頃が過ぎているのはわかっているし、無理に祭り期間内に行かなくても道端から梅林を眺めることはできる。しかし、明日まではバスが増発されていてアクセスが楽なのだ。それになにより、祭り期間中は地酒(←ここ極めて重要)やおでんの売店が出ているわけである。この1か月半の間、あまりにも孤高な呑み行動をとってきていい加減人恋しくなってきたこともあり、祭りのオーラスに乗り込んでおでんを肴に酒を呑んでこようと志した次第である。幸い、ちょっとだけ天気も快復したことだし。ただし、曽我の里に入る前に、旧田島村を片付けねばならない。
 旧田島村と国府津村(町)は昭和23年に合併したが、双方とも江戸時代の村域のまま、戦後までどことも合併することがなかった稀有な村であった。その、国府津駅より増発された下曽我行きバスに乗り、「田島」で下車。そのまま県道をバスの進行方向に歩くと、左手に村の鎮守・
津島神社がある。

 境内広く、なかなか清清しい。ベンチも2脚置かれていた。ちょっと老朽化しているが。とりあえずここでパチリ。

 玉垣の向こうに見える白い建物は駐在所なので、いざというときも安心(?)
 とここまで書いておいてほかのスポットを推奨するのもなんなんだが、もっといい場所があります。「田島ふれあい広場」なるところ。 ここ、インフラの充実振りからみればどう考えても“公園”なのだが、なぜか“広場”と名がついている。例によって(?)小田原市のサイトでは当広場に関する直接の言及がないので、管理者がどこなのかはわからない。しかしとにかく、野外卓もあるステキな一献ポイントだ。本日は残念ながらコドモたちが先に園内でふれあっていたので中に入るのは躊躇ってしまったが。とりあえず、野外卓を望遠でパチリ。



 ここ田島は桜の里である。あと1か月もすればご覧の桜並木がピンクに染まり、ちょっとしたお祭りも開催されるようだ。

(66)曽我別所村(2009.2.28)



 曽我梅林のあたりへは何年かおきに訪ねているはずだが、花が咲いているときにきたのは本当に久し振りのような気がする。もっともご覧のとおり見頃はとっくに過ぎてしまった。ただ、桜の散り際のような派手さはないけれど、梅の花の静かに落ちて行くさまもしみじみと味わい深いものがあるものだ。それでは小田原梅まつりのメイン会場、別所梅林へ。



 一週間ぶりに悪天候から解放されたこと、それともちろんあと2日で祭りも終わってしまうからであろう、結構な人出である。ともあれ、私といえば花よりポン酒。特設食堂の建物の外で食券を買い求め、「酒」「おでん」「そば」などと分かれたカウンターで食券を渡す、おなじみのスタイル。
 酒。「曽我の譽」のカップ酒の燗(湯煎)、350円。
 おでん。370円。〆て720円也。
 「曽我の譽」が出てくるのは予想どおり。が、今まで見たことのないデザインのカップであった。

 我々が普段小田原駅その他で目にする「曽我の譽」のカップ酒は、無地ガラスに紙ラベルが貼られているタイプのものだ。しかしここで売られていたのは、ガラスに直接銘柄が刷り込まれているもの。たしかにカップを直接湯煎していたから紙ラベルだと不都合もあろう。刷りガラスタイプで正解だ。もちろん私、このカップ記念に持ち帰ってきましたよ(註)
 熱いカップとおでんを抱え、梅林の中へ。縁台もところどころ用意されているが、さすがに先客で埋まっていた。そこで枯れ草の上に直接腰を下ろす。たまにはこういうシチュエーションも、いいものだ。

 それにしても、「曽我の譽」のレギュラー酒。正直言って、部屋の中でじっくり腰を据えて呑む分にはあまり優れてはいないかもしれない。しかし、アウトドアでちょっと熱めに燗したものをおでんでもつまみながら呑むと、そのもっさりとした甘味がなんとも心地よい。シチュエーションが旨さを倍加させる典型的なお酒である。あと、レンジでチンとかでなく、しっかり湯煎して供されているのもいいんだろうな。
(註)この日の帰り、下曽我駅前の「Yショップうちやま」で買い物をした。そこで上掲刷りガラスカップを使用した商品を発見。地元特産の梅の実がゴロゴロと入った「梅酒」、420円也。私はこの手の商品には手を出したことがないのでこれが高いか安いかはよくわからん。しかし、とにかくたくさん梅の実が入っていることだけはたしかだ。

(67)曽我原村(2009.2.28)


 ほろ酔い気分で別所梅林を後にし、歩いて5〜6分のところにある原梅林へ向かう。別所や中河原のように大規模なものでないから出店などないだろうと高をくくっていたら、ちゃんとありました。もちろん梅林の中には即席休憩所も。
 屋台で売られていたおでんは、別所と同じく370円。お品書きに「お酒」は表記されていないものの、おでん鍋の横には「箱根山」の上撰酒1升壜がドンと置かれていた。もちろん頼めば出してくれるだろう。あちらは「曽我の譽」でこちらは「箱根山」、呑み比べするのもいいですね。いや、それよりもなによりも、こうしてお祭りで地元のお酒を2銘柄提供できるというのは素晴らしいことではないか。
 別所梅林の売店は、放っておいても人が集まってくるから客あしらいもあっさりしたものであった。しかしこちら原梅林のほうは商魂逞しいというか、活発に呼び込みを行っている。学校で使われなくなった机や椅子を園内に並べて休憩席にしているのもアットホームでよろしい。来年はこっちで一杯やろうかな。

 おっと、古いベンチを発見。


 下曽我村を構成する旧4か村は、現在に至っても大字として境界が超複雑に錯綜している(飛地もあちこちにあり)。下曽我駅前のごく狭い一角も「曽我別所」の飛地。カツ丼が旨いことで一部で有名な食堂の店頭にも、こんな古い住所標が貼られていた。




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