(57)小竹村(2009.2.21)


 
酒匂川以西のムラは残すところ2つのみとなった。ここからはほぼ一筆書きに近い形でゴールまでたどり着くことができそうだ。そして、ルート的にはさしあたり本日が最大の難関であるといえよう。詳しくは次回のエントリに譲るとして、一筆書きのスタートは小田原市の最北東部に位置する、旧小竹村。
 今回は趣向を変え、JR二宮駅から神奈中(湘南神奈交?)バスで橘団地まで行ってみた。二宮町と境界を接する橘団地、かつては国府津駅からもバスが乗り入れていたが現在は二宮駅とを結ぶ便しかない。当地の住民のみなさん、小田原市に属しながら実態は二宮町を生活圏としているといえよう。
 さて橘団地、大規模な住宅地だけあって公園もたくさんある。「小竹」の名を冠する街区公園は実に9つ、その大部分は橘団地内にあるわけだ。ということで、あまりタイムロスもしたくないのでバス通りから比較的近くかつそこそこ広い、
小竹北公園を一献の地に選んだ。
 まあ、インフラはそれほど整っていない。ただ、この季節は冬枯れの木々や芝生が園内を覆っていていい感じの情緒を漂わせている。そんなわけで。

 あ、今回から魔法壜の中の酒が変わりました。

 「幻の瀧 特別純米酒 名水乃蔵」。4合で1000円ポッキリ。安いね。

 歩道橋の上より橘団地を俯瞰する。で、この後向こうに見えてる山の中に分け入ることになるわけです・・・。




(58)沼代村(2009.2.21)


 現在小田原市を構成する旧村、たとえ山間に集落があるようなところでもとりあえず路線バスの便があったりと、秘境的雰囲気を持つところはほとんど存在しない。しかし唯一例外を挙げるとすれば、これから訪れる沼代の地であろう。中心集落のあるあたりは県道(中井羽根尾線)から大きく逸れた山の中にあり、無論バスは通じていない。このたびの一村一献運動における最大の難所と考えていた地だ。体調が若干心配だが、とにかく頑張ってみよう。
 県道の「坂呂橋」信号を西に入る。ゆるやかな登り坂を進むとやがて、広域農道「やまゆりライン」と合流する。合流点を右折すれば中井町へ、直進すると途中強烈なアップダウンを経て曽我山の南麓(田島)に降りることになる。沼代の中心集落(もう既にこの地は大字沼代【字明沢】であるが)に取り付くにはとりあえずこのまま直進。
 余談だが、もうずいぶん昔のこと、この「やまゆりライン」を自転車で越えたことがある。軽い気持ちで発進したものの勾配のキツさに途中自転車を押して歩く体たらく、ヘロヘロになりながら田島側に降りたものである。もひとつつけ加えますと、かつて坂呂橋交差点のあたりにエロ本の自動販売機がありまして、恥ずかしながら一度利用しました。それも何を血迷ったか一万円札を投入、商品は出てきたものの釣りが出てこず、モノがモノだけにクレーム入れる気も起きず泣き寝入りでした。みなさんもエロ本自販機ご利用の際は小銭を用意しましょう。
 やまゆりラインに別れを告げ、「明治橋」を渡るといよいよ本格的な登り坂となる。脚に負担がかからぬようゆっくりと登る。しかし、想像していたほどキツい勾配ではない。ヘアピンカーブを登り切ると左手の眺望が開けた。

 みかん畑の下に田んぼがある。その向こう側の斜面を上ったあたりが中心集落のはずだ。つまり、ここに橋でも架けられていれば大分ショートカットできるはずなわけだが、無論そんなものはないから尾根づたいにぐるりと回りこむことになる。
 途中、“老犬ホーム”の前を通る。見慣れぬ闖入者に向けて“入居者”が一斉に吠え立てるが心なしか声に力がないような。感傷が頭をよぎるが、とにかく歩みを進めよう。ようやく登り坂とお別れし、古い集落の中へ入って行く。

 村社・王子神社。いかにも古めかしい村の鎮守だが、境内にベンチや遊具はなし。
 さらに進むと公民館。こちらにも残念ながら休憩施設はなかった。となると、一献候補地はもうあとひとつしかない。ここ。

 沼代桜の馬場。知る人ぞ知るお花見の裏名所らしい。もちろん現在まだ桜は蕾にすらなっていないから、静かなものである(クルマは結構通るが)。
 とりあえず、両の道端に腰を下ろせそうな場所はない。こりゃあ困ったなと頭をかきつつよく見たら、案内板のところからゆるやかに上る脇道があった。もしやと思い登ってみると・・・ありました、芝生広場が。当然お花見シーズンはビニールシートの花も咲くに違いない。広場内にはベンチが一脚、それに誰が持ち込んだかは知らんがチェアーも2脚あり。早速椅子のほうを使わせていただき、一献といたします。

 画像ではほとんどわからないが、はるか向こうに見えているのが、さっきまでいた橘団地のあたり。思えば遠くへみのもんた。




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