(56)江ノ浦(江之浦)村(2009.2.19)


 
旧江ノ浦村、現小田原市江之浦を訪れるには、それなりの覚悟が必要である。駅から大きく離れているから天候等の見極めも必要であるが、最大の問題点は道路の状況。江之浦へ向かう路線バスは小田原駅を出、途中国道135号を経て山側の旧道(元国道、今県道)に入り根府川駅〜江之浦〜石名坂というルートを採る。この、国道135号の渋滞状態によっては大変なことになるというわけだ。道が混むことがわかっている土休日ははなから運行していないし、平日であっても30分遅れは当たり前なんてことが珍しくないのだ。かくいう私も先週木曜日、根府川駅でバスを待てども待てども来ない。その後、たまたま駅前にいたヒルトンの社員と思われる人より「今日は下の道路(135号のこと)が全然動いてないから、バスは来ないよ」との情報を得、泣く泣く退却したのであった。本日はそのリベンジ。少しだけ定刻より遅れたが、バスはやってきた。やれやれ。
 「江之浦」バス停で降りる。当地に街区公園はないから、とりあえず村の鎮守である
大美和神社を訪ねてみることにした。ちょっとだけしんどい坂を登ったところに神社の鳥居。

 さらに石段を登ると拝殿。ちなみに、

 根府川あたりもそうだが、旧片浦村は関東大震災で甚大な被害を受けたところである。当社の境内にもこんな石碑が。鳥居をくぐってすぐ左手にも震災復興記念碑が建っていた。
 さて、拝殿に目を移す。おおー、これは。

 右下にベンチがあるの、わかりますか? とにかく拝殿にぴったり密着するようにベンチが置かれているのだ。ちなみに拝殿の向かって左側面には、

 やはり非常に近しい距離に、ブランコがあった。なんというか、村の鎮守様の理想形ともいえそうなインチメイトな神社であるようで、個人的にはたいへん気に入った。
 そんなわけで、こちらのベンチで一献傾けさせていただきます。平日の昼間ゆえ他に参拝する人もおらず、静かなことこのうえない。

 あ、お供のお酒ですが、今日は江之浦のみ訪問なのでカップ酒がスポット参戦。

 先月東戸塚でゲットした、酒呑童子の京女(甘口本醸造)。当地との因果関係はまったくなし。




 せっかくなので、もう少し歩き回ってみる。

 道端の小屋に貼られていた「ピース膏」の琺瑯看板。現存するこの手のブツはほぼすべてネット上で紹介され尽くしていると考えているのだが、“ピース膏”に関してはググっても出てこなかった。もしかしてレア?

 もっと感激したのはこっち。道路向かいの小屋に貼られていた、小田原「壽屋百貨店」の広告看板。これは相当古そうだ。

 江之浦を紹介する観光ガイドでは必ず紹介されている「天正庵跡」なんだが、個人宅で普段公開されているわけでもないから、特段訪ねる価値があるかといえば、うーん。

 犬と泊まれるプチホテルのドッグラン施設らしいのだが、屋根付きベンチがあったりして、ここで一献傾けたら気持ち良さそうだワン。

 江之浦でいちばんのビューポイント(通称“鳥瞰図”)。江之浦港から国道135号、東海道線まで一望できる。写真では(ていうか、私のウデでは)もひとつその感動を伝え切れないのが残念だ。

 元来私は行きと同じルートで帰りたくない性格なのだが、今回ばかりはバスで折り返し根府川駅に戻った。ただ、本当は以下のルートで帰りたかったのだ。
 再度石名坂行きバスに乗り終点で下車⇒10数分歩いて伊豆箱根バス「岩」バス停へ⇒バスで真鶴駅へ 
 このルート、“路線バス乗り継ぎ旅”の類いでも推奨されている手段なのだが、いかんせん昼間帯はバスの接続が極めて悪い。夕方であれば上手いこといきそうだ。




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