(8)水野(之)尾村(2009.1.21)


 小田原駅西口(新幹線口)より、このバスに乗った。
 小型バスは競輪場(最近すっかりご無沙汰だ)の前を通過するとぐんぐん高度を上げる。途中、相洋中学・高校があるがこのあたりは戦前、「小峯公園」なる行楽地だったそうな。今でも道路向かいには「小峰庭球場」なる、なんとも品のいい響きのテニスコートがある。
 車窓左手に相模湾のダイナミックな眺望を堪能しつつ、気が付けば「水之尾」に到着。ここで降りる。この集落内を歩くのは初めてだ。wktk。
 水之尾には、公園はない。そこで狙いを付けたのは公民館。ほかにはこれといったスポットもなさそうだし。
 老人保健施設の前を通り過ぎると道は一気に細くなる。なんともいえぬ、懐かしい山里の風景が広がっている。やがて現れる三叉路を右手前に切り返すと、水之尾公民館の前に着いた。
 ここも、「公民館は旧跡の場所に設置される」法則が適用されているようだ。道を挟んだ向かい側。

 
江戸時代の偉大なる土木事業により造られた荻窪用水。その、桜田隧道の出口があった。
 さて、郷土の歴史の一端に触れることができて誠に有難いのだが、肝心の公民館の庭にはベンチがなかった。荻窪用水まわりにも腰を下ろせそうな場所はないのだが、とりあえず水際まで降りることができるよう石段が付けられている。おそらくかつてはここで野菜を洗ったりしたのだろう。ということで、水際で立ち呑みといたしました。





(9)風祭村(2009.1.21)


 水之尾から、箱根登山鉄道の風祭駅あたりまで、坂を一気に下る・・・はずなのだが、水之尾公民館のところからはしばらくダラダラ坂の登りとなる。今日はまだ50mlくらいしか呑んでいないのだが、ほろ酔い気分での坂登りは脚にこたえる。
 とにかく登りきり、いよいよ急坂下り・・・なのだが、事前に最短ルートを調べて地図を携帯していたにもかかわらず、道を間違えた。まあ、おかげでいろいろと面白いものを見物することができたからよしとしよう。

 先ほど荻窪用水桜田隧道出口で一献をあげたが、隧道の入口はここである。たった今ものすごい急坂を下ってきたのに、当地点のほうが高度が高いということか。なんだか感覚が麻痺してきたぞ。
 そのすぐ先に、山縣水道の水源池。まあよくぞ個人のためにこれだけのものを造ったかと呆れ、もとい、感心する。
 この後、なぜか荻窪用水の流れに逆行し歩くもやがて道は行き止まり、すぐ手前の角を曲がってみかん畑の中を突っ切ったところ、ようやく本来下るはずだった道に合流した。やれやれ。あ、こんなもの発見。

 風祭にその名を轟かす天下の鈴廣さまの名を冠したアパート。社宅なのか、普通の賃貸なのかは不明。
 とにもかくにも、最高地点から85メートルくらいは下ったであろう。宮脇俊三氏は「人間の脚は坂登りに適し、下りに不適にできている」との趣旨の記述をしきりにしているが、まあたしかに道理はわかるけれど、足腰は頑丈だが心肺に難を抱える私としては下り坂のほうが断固好きである。
 さて、本当は早川畔まで下りようと考えていたのだが、途中の八幡神社(風祭の村社)を覗いてみたところ実に結構なので、ここで小休止することにした。





 境内には充分すぎる数のベンチ。ブランコやすべり台のみならず、バスケットのゴールポストまである。地域のこどもたちにとって「村の鎮守さま」がどんなに大事な存在かを示す、格好の例といえよう。では、私も一献。

 しばしゆったりとした時を過ごし、当社を辞去するに際し参拝しようと思い(順序が逆だろ)本殿に打ち付けられた看板に目を凝らす・・・あ゛。

 どうもごめんちゃい。



(10)入生田村(2009.1.21)


 もう少し足を延ばそう。箱根町との境界集落、入生田へ。
 風祭から入生田までの区間、旧東海道は国道1号から離れ、線路を挟んだ山側の旧道を採る。交通量も少ないので旧道を歩きたいところなのだが、1国沿いのローソンで昼飯を調達したいので(ここを逃すと入生田駅の先のファミマまでコンビニはない)仕方なく国道を歩く。西湘バイパスの終点である箱根口ICあたりで、新しい公園の造園工事をしていた。3月には完成するようで、ちょっと楽しみである。
 それは結構なのだが、目指すローソン、店内改装のため臨時休業だって。入生田のファミマまで行きたくないし、こんなことなら鈴廣の売店でチーズちくわでも買っときゃよかったよ。とにかく、当地での昼飯は断念。
 「入生田車庫入口」信号のところで踏切を渡ると、すぐに目的の公園にたどり着いた。
 入生田なかよし公園。上掲地図の中心点のあたりにある、お子様向けの公園である。そのすぐ近く(地図でいうと左手の緑色のところ)に「入生田ふれあい公園」というのがあってこちらがオトナ向けということになるが、正直だだっ広い空き地にベンチがぽつぽつ置かれているだけだ。なかよし公園のほうがコンパクトにまとまっていて落ち着く。なので今回のみは童心に帰り(意味不明)お子様向け公園で一献。

 ふれあい公園のほうのフェンスに埋め込まれたイケてる絵。これこそ「なかよし公園」向きなのにね。

 入生田駅からほんの少し歩を進めれば、もう箱根町。箱根登山線(小田急の車両ですが)に乗って引き返す。





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