「一村一献運動」はじめます(2009.1.16)

 このたび私、郷土における公園酒 (註1)についてより深く理解すべく、「一村一献運動」をはじめることにいたしました。
 すなわち、現在の小田原市域内における、明治22年市町村制施行(所謂「明治の大合併」)直前に存在した町村の跡にすべて足を踏み入れ、そのすべてで酒を酌むということです。ちなみに、数えてみたら5町82村ありました。つまり、88か所で酒を呑まなくてはならない計算になります。
 本来それぞれの土地でカップ酒の1本も買い求めれば格好の地域振興になるのでしょうが、流石にそれをいちいちやっていたら私の肝臓とお財布が破壊されるでしょう。ついては、さしあたり今はまだ外も寒いので、魔法壜に燗酒を2合ばかり詰め、各地でちびちび呑みながら移動するという方法を採ることにしました。「魔法壜酒」なら人気の濃い公園で呑んでいても蔑みの目を向けられることもないですし。 (註2)
 お酒を呑む場所は原則として公園内としますが、当時の村域内に現在公園が存在しないところも多数ありますので、そういう場合は河原なり、神社の境内なり、公民館の庭先なり、最悪は道端で立ち呑みなんてケースもきっと出てくることでしょう。
 ともあれ、例によって飽きたらいつでも止めるつもりで、気楽に歩き回りたいと思います。

(註1)筆者は公園酒のスペシャリスト(自称)である。
(註2)当初はたしかにこの手法を忠実に採っていた。が、スタート後2週間ほど経ったあたりで体調を崩したため、飲酒行為は当日行動範囲の1か所のみで行う形に変更。しかしさらに体調は悪化、後半はほとんど “呑んだふり” になってしまった。飲酒+運動は危険であることを痛感する結果とあいなりました。



(1)出陣式 ―小田原駅 緑町―(2009.1.17)


 「一村一献運動」、今日よりスタート。まずは旧小田原城下の5町(幸・万年・新玉・緑・十字)から片付けちゃいます。
 本来的な小田原の中心部は旧・幸町なのだが、現在鉄道の小田原駅があるあたり(小田原駅緑町:ここでいう「駅」は鉄道駅のことではなく、明治22年の町村制施行まで存在した所謂「宿場」的意味合いの呼称)に敬意を表し、緑町からスタートすることにした。ちなみに緑町の名は昭和41年の住居表示実施に伴い街区名からはほぼ姿を消したが、今なお鉄道(伊豆箱根鉄道大雄山線)の駅名やバス停名として現役バリバリである。
 ・・・さて、早速困ったことになった。このあたり、あまりにも都会過ぎて公園なんかないのである。2年前に錦通り入口の証券会社跡地に広場(「北條ポケットパーク」というらしい)ができたのだが、なんというか実に中途半端な造りなのだ。ベンチがあるわけでなし。大体人の流れが多過ぎて、いくら魔法壜とはいえここで飲酒するのはちと憚られる。そこで方針転換、「出陣式」の名目で、お店酒とさせていただくことにした。とはいえ、贅沢ができるご身分ではない。しばし思案した結果、式場はここに決めました。


 フレッシュネスバーガー。お堀端通り、かつての志澤デパート(現・万葉の湯)の向かいにある。メニューに生ビールもある。ということで。

 レーベンブロイ生とオニオンリングとサルサバーガーで960円。よし、1000円内で収まったぞ。こちら小田原には昼から呑める廉価な店などないから(私が知らないだけかもしれんが)、「お酒も置いている」食い物屋に入り、たとえビール1杯+食事であっても1000円で収めるのは至難の業なのだ。たとえば箱根登山ベルジュ内にある銀座ライオン、ランチビールは350円だけど食事メニューは最低でも800円はするから1000円オーバー。食い物の安さでは定評のある日高屋の中生は480円なのでギョーザ+チャーハンをつまみに呑めばこれも1000円オーバー。結局、ハンバーガー屋さんくらいしか選択肢が思い浮かばんのである(あ、吉野家で牛皿ビールという手もあったか)。ともあれ、この齢になってハンバーガーショップに立ち寄ることもめっきりなくなったがフレッシュネスは元々好きなチェーンなので、美味しくいただきました。やっぱりオニオンリングにはビールが一番っすよネ。

 ひとり出陣式も無事終わった(もうこんな贅沢は当分できまい)。これからがいよいよ本番、「黒松剣菱」の燗酒が入った魔法壜を手に、お城の方角へと向かう。




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